オルガン音楽(読み)オルガンおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルガン音楽」の意味・わかりやすい解説

オルガン音楽
オルガンおんがく

オルガンの発展過程がかなり明確にとらえられるのに対し,初期のオルガン音楽については不明瞭な点が多い。現存する最古の鍵盤音楽の楽譜は,1325年頃の『ロバーツブリッジ写本』であり,中世の舞曲モテト編曲を含んでいる。 16世紀初めに現れた P.ホーフハイマーと A.シュリックは,初期オルガン音楽の発展上大きな貢献をした。さらにカバッツォーニ,メールロ,ガブリエリ,カベソンらにより,トッカータ,オルガン・コラール,リチェルカーレカンツォーナなどの形式がつくられた。オルガン音楽の黄金時代はバロック時代であり,スウェーリンクやフレスコバルディらを経て,バッハのコラール・プレリュード,トッカータ,プレリュードとフーガなど,多数のオルガン作品においてその頂点に達した。バッハ以後オルガン音楽は衰退の兆しをみせたが,19世紀にはオルガンの管弦楽的色彩感を基礎に,リストがオルガン音楽の新しい道を開いた。現代ではデュプレやメシアンらの作曲活動があげられる。

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