オルシノール反応(読み)オルシノールハンノウ

化学辞典 第2版 「オルシノール反応」の解説

オルシノール反応
オルシノールハンノウ
orcinol reaction

単糖類,ウロン酸,多糖類中,カルボニル基が遊離している還元糖の検出反応.30% 塩酸500 mL 中に10% 塩化鉄(Ⅲ)を加え,このなかにオルシノール 1 g を溶解した試薬(Bial's reagent)を調製し,これに検体微量加えて煮沸すると,青緑色または青色を呈するので,505 nm の吸収極大から比色定量できる.この反応はペントースに特異的であり,メチルペントースの場合は,橙褐色から褐色に濁る.この呈色液にアミルアルコールを加えて振とうすると,呈色はアミルアルコールに移るのでメチルペントースとの区別が可能である.アミルアルコール層は666 nm と615 nm に特有な吸収を示すので,比色定量ができる.ヘキソースでは桜赤色に呈色し,ウロン酸もこの反応がある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android