日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウロン酸」の意味・わかりやすい解説
ウロン酸
うろんさん
アルデヒド基とカルボキシ基(カルボキシル基)とをもつ糖の誘導体の総称で、天然にはグルクロン酸、マンヌロン酸、ガラクツロン酸、L-イズロン酸の4種が存在する。D-グルクロン酸はD-グルコースのウロン酸に相当するもので、コンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカン(ムコ多糖)およびアラビアゴム、麦わら、木材などの植物性構造多糖類の構成成分として広くみられるほか、動物の解毒作用に関係し、いろいろな化合物と抱合してグリコシド結合したグルクロニドとして尿中に排泄(はいせつ)される。また、D-マンヌロン酸はアルギン酸中に、D-ガラクツロン酸はペクチン中に、L-イズロン酸はヘパリンなどに、それぞれ存在する。
[村松 喬]