オルニチン発酵(読み)オルニチンはっこう(英語表記)ornithine fermentation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルニチン発酵」の意味・わかりやすい解説

オルニチン発酵
オルニチンはっこう
ornithine fermentation

塩基性α-アミノ酸の一つであり,普通蛋白質中にあまり含まれていないL-オルニチンを微生物を用いて生産する方法。糖質原料とするオルニチン発酵は,Micrococcus glutamicus (Corynebacterium glutamicum)のようなグルタミン酸生産性の細菌から導かれたアルギニン要求変異株,あるいはシトルリン要求変異株 (オルニチンからの代謝系が遮断されている) を少量のアルギニンあるいはシトルリンを加えて培養することによって行われる。原料としては,糖質のほかにノルマルパラフィンなどを使用することができる。オルニチンは尿素サイクルの一員であり,尿素サイクル賦活作用があることから,アルギニン,アスパラギン酸などと伴用され高アンモニア血症の治療に用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

春闘

春の時期に労働組合が一斉に賃上げ、労働条件の改善に関する交渉を行なうこと。欧米では、産業別に強力な労働組合が存在し、それらが労働条件改善への闘争を繰り広げて成果を得てきた。だが、日本では企業ごとに労働...

春闘の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android