オルニチン(読み)おるにちん(英語表記)ornithine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルニチン」の意味・わかりやすい解説

オルニチン
おるにちん
ornithine

アミノ酸の一つ。塩基性アミノ酸。L-オルニチンは遊離状で広く動物、植物、微生物にみいだされるが、タンパク質の構成成分としてはみいだされず、ペプチド抗生物質のチロシジングラミシジンに存在する。高等動物の生体内代謝では、尿素回路一員として、アミノ基あるいはアンモニアから尿素を生成して体外へ排出する経路で重要な役割を果たしている。すなわちアルギニンからアルギナーゼの働きで尿素とオルニチンが生成され、シトルリンを経て、アルギニンを再生する。また生体内でグルタミン酸、プロリンと相互に変わりうる。D-オルニチンはペプチド抗生物質グラミシジン、バシトラシンに存在する。化学式はNH2(CH2)3CH(NH2)COOHで分子量132.17。融点140℃。水に溶けやすい。

[降旗千恵]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルニチン」の意味・わかりやすい解説

オルニチン
ornithine

略号 Orn ,化学式は H2N(CH2)3CH(NH2)COOH 。塩基性α-アミノ酸の一つである。L体は融点 140℃ (軟化点 120℃) の無色結晶蛋白質の構成成分としては含まれていないが,蛋白質のアルカリによる加水分解でアルギニンが分解して尿素とともに生成する。生体内では尿素生成の中間体として重要である。

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