日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーストラリア砂漠」の意味・わかりやすい解説
オーストラリア砂漠
おーすとらりあさばく
オーストラリア中央部東寄りの大鑽井(だいさんせい)盆地から西のインド洋海岸にかけて広がる砂漠。面積はオーストラリア大陸の約40%の337万平方キロメートルで、地形は単調である。中央部からインド洋海岸にかけては標高300~500メートルの平原であり、所々に1000メートルを超える山地が散在する。東部は海面下12メートルのエーア湖を中心に低地となっている。地形が相対的に低くなっている所には、シンプソン砂漠、ギブソン砂漠、グレート・サンディー砂漠、グレート・ビクトリア砂漠などの砂砂漠が多数発達しており、砂砂漠の面積は37%を占める。この砂漠の降水量は比較的多く、もっとも乾燥しているエーア湖付近でも年降水量は約120ミリメートルあり、草原の砂漠となっている。年平均気温は北部で約25℃、南部で約20℃である。東部には大量の被圧地下水が存在するが、塩分濃度が高いため灌漑(かんがい)には使用できず、家畜の飲用水として利用されている。草原の砂漠であるため、移民が持ち込んだ家畜が野生化し、ラクダ、水牛、馬、豚などが数万頭から数百万頭棲息(せいそく)している。
[赤木祥彦]