所々（読み）ところどころ

精選版 日本国語大辞典

ところ‐どころ【所所・処処】

1. 〘 名詞 〙
2. ① あちらこちら。ここかしこ。諸所。しょしょ。
   1. [初出の実例]「即ち対馬嶋壱岐嶋及び処処(トコロトコロ)小島は皆是れ潮の沫の凝て成るなり」(出典：日本書紀（720）神代上（丹鶴本訓）)
   2. 「アスファルトのところどころは暑さで溶けてしまい」(出典：エオンタ（1968）〈金井美恵子〉三)
3. ② 別々の場所。しょしょ。
   1. [初出の実例]「所(トコロ)（高良本ルビ）々でうたれんよりも、ひとところでこそいかにもならめ」(出典：平家物語（１３Ｃ前）九)
4. ③ その土地その土地。
   1. [初出の実例]「京も田舎も住なせる町人其所々の作法ひとつも漏る事なかれ」(出典：浮世草子・西鶴織留（1694）一)
5. ④ 人々。かたがた。多く、身分のある人々に用いる語。
   1. [初出の実例]「ところどころの心をつくし給へらむにほひどもの」(出典：源氏物語（1001‐14頃）梅枝)
6. ⑤ あちらこちらの官署。
   1. [初出の実例]「預りて仕へまつる処々(ところどころ)家々の王等(おほきみたち)、卿等(まちぎみたち)をも」(出典：延喜式（927）祝詞)

出典　精選版 日本国語大辞典