お十夜(読み)おじゅうや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「お十夜」の意味・わかりやすい解説

お十夜
おじゅうや

十夜念仏法要の略。浄土宗で旧暦 10月6日から 10日 10夜の間,念仏勤行を修する儀式のこと。十夜,十夜会とも称される。後花園天皇の頃,平貞国が京都真如堂に参籠して3日3夜修して出家しようとしたところ,夢のお告げ弥陀誓願によって救われるから出家を思いとどまるようにと言われ,3日目に公命で家を相続することになったので,その後7日7夜念仏勤行を修したという故事に由来するといわれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のお十夜の言及

【光明寺】より

…8世観誉祐崇は1495年(明応4)宮中に召され,清涼殿にて浄土三部経ならびに引声念仏を修して後土御門天皇の帰依を厚くし,同年勅願所の綸旨を賜るとともに,十夜法要の勅許を得た。これが〈お十夜〉のはじまりである。ながく浄土宗関東総本山として君臨し,1591年(天正19)に寺領10貫文を,1675年(延宝3)には朱印100石を賜った。…

【十夜】より

…浄土宗で旧暦10月6日から15日まで10日10夜行う別時念仏のこと。十夜法要。1430年(永享2)に平貞経・貞国父子によって京都の真如堂(天台宗)ではじめられたという。今でも真如堂では11月5日から15日まで十夜念仏が修せられている。1495年(明応4)ころ観誉祐崇上人が鎌倉光明寺で浄土宗ではじめて十夜の法会を行った。十夜は〈無量寿経〉巻下の〈此に於て善を修すること,十日十夜すれば,他方の諸仏の国土において善をなすこと千歳するに勝れたり〉というのによる。…

【真正極楽寺】より

…このほか,元三大師堂,三重塔,三千仏堂,薬師堂,吒枳尼天(だきにてん)堂,県井(あがたい)観音堂,新長谷観音堂,庫裏などの諸堂および塔頭(たつちゆう)子院8院がある。毎年11月5日から10日10夜にわたって行われる〈お十夜〉は,その盛大さで全国に有名。また什宝のうち《真如堂縁起絵巻》は1524年(大永4)の作で,詞書は後柏原天皇,尊鎮法親王,三条西実隆らの筆,絵は掃部助(かもんのすけ)久国で重要文化財。…

※「お十夜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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