真如堂(読み)シンニョドウ

デジタル大辞泉 「真如堂」の意味・読み・例文・類語

しんにょ‐どう〔‐ダウ〕【真如堂】

京都市左京区にある天台宗の寺。正式には真正極楽寺山号は鈴声山。正暦3年(992)一条天皇勅願により戒算創建応仁の乱で焼失以後転々とし、元禄6年(1693)現在地に再興十夜法要で知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「真如堂」の意味・読み・例文・類語

しんにょ‐どう ‥ダウ【真如堂】

京都市左京区浄土寺真如町にある天台宗の寺、真正極楽寺の通称。山号は鈴声(れいしょう)山。正暦三年(九九二)一条天皇の生母東三条院藤原詮子の願により創建。開山は戒算(かいざん)。宝永二年(一七〇五)に現在地に移建された。寺宝の法華経六巻は国宝。

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日本歴史地名大系 「真如堂」の解説

真如堂
しんによどう

[現在地名]左京区浄土寺真如町

黒谷くろだにの北に位置する。天台宗、鈴声山と号する。正式には真正極楽しんしようごくらく寺と称し、本尊阿弥陀如来。大永四年(一五二四)に真如堂住持昭淳が画工掃部助久国に命じて作成した真如堂縁起によれば、開基は比叡山延暦寺戒算で、永観二年(九八四)一条天皇の母東三条院藤原詮子の御願により、延暦寺常行堂にあった阿弥陀如来像を神楽かぐら(吉田山)の東にあった女院離宮に移し、正暦三年(九九二)に寺としたのが起源という。同五年には一条天皇により勅願寺となり、天台宗の巨刹として仁安元年(一一六六)一一月には覚快親王、養和元年(一一八一)一一月には慈円が別当となっている(真正極楽寺記)往時は堂塔伽藍も壮麗をきわめ、正中二年(一三二五)には後醍醐天皇より仏舎利の寄進もうけたが(真如堂縁起)、永和五年(一三七九)一月二二日堂宇が炎上(愚管記)、応仁二年(一四六八)には兵火で堂塔伽藍をことごとく焼失し、本尊は比叡山西塔さいとう黒谷青竜せいりゆう寺に移された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「真如堂」の意味・わかりやすい解説

真如堂
しんにょどう

京都市左京区浄土寺真如町にある天台宗の寺。正式には真正極楽(しんしょうごくらく)寺と称し、真如堂は大本堂をさす。山号は鈴声山(れいしょうざん)。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。984年(永観2)比叡山(ひえいざん)の戒算(かいざん)が、円融(えんゆう)天皇の皇后で一条(いちじょう)天皇の母、東三条女院(藤原詮子(せんし))の願により、延暦寺(えんりゃくじ)常行堂(じょうぎょうどう)の阿弥陀如来(円仁(えんにん)作と伝う)を女院の離宮に移したのに始まる。一条天皇の勅願所となり栄えたが、応仁(おうにん)の乱(1467~77)に東軍の陣となって、諸堂宇を焼失した。以後、近江国(おうみのくに)坂本(滋賀県大津市)などを転々とし、1693年(元禄6)旧地に戻り、現在の堂宇が建立された。現在は本堂、三重塔、大師堂などのほか、塔頭(たっちゅう)8か院がある。本尊は頭振(かぶりふ)りの阿弥陀(国重要文化財、藤原時代)といわれ、京洛(けいらく)六阿弥陀巡りの第1番。寺宝には、仏師運慶の願による『法華経(ほけきょう)』(国宝)、紙本着色真如堂縁起、絹本着色普賢菩薩(ふげんぼさつ)像、慈円僧正消息(しょうそく)(以上は国重要文化財)などがある。境内の鎌倉地蔵は栃木県那須(なす)の殺生石(せっしょうせき)にまつわる伝説をもち、祈願すれば無実の罪を晴らすことができるという。11月5~15日に念仏法要「お十夜(じゅうや)」を修する。

[田村晃祐]


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百科事典マイペディア 「真如堂」の意味・わかりやすい解説

真如堂【しんにょどう】

京都市左京区神楽岡の東側にある天台宗の寺。正しくは真正極楽寺。本尊阿弥陀如来。984年藤原詮子が延暦寺常行堂の阿弥陀仏を移して創建。兵火のため,転々としたが,足利義政が応仁の乱後,旧地に再建した。この時《真如堂縁起絵巻》3巻(詞書(ことばがき)は後柏原天皇ら,絵は掃部助久国)が奉納された。毎年11月のお十夜が知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「真如堂」の意味・わかりやすい解説

真如堂 (しんにょどう)

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世界大百科事典(旧版)内の真如堂の言及

【十夜】より

…十夜法要。1430年(永享2)に平貞経・貞国父子によって京都の真如堂(天台宗)ではじめられたという。今でも真如堂では11月5日から15日まで十夜念仏が修せられている。…

【真正極楽寺】より

…山号は鈴声山。俗に真如堂として有名。当初は天台宗,室町時代は浄土宗,1693年(元禄6)再び天台宗に改宗。…

※「真如堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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