お炒り(読み)おいり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「お炒り」の意味・わかりやすい解説

お炒り
おいり

鳥取県一帯でよくつくられる保存食。食べ残した飯を板の上や簾(すだれ)の上に散らして、天日で乾かしておく。これは保存食としていつでも必要に応じて炒ることができる。また玄米をあらかじめ重曹を加えて煮て乾かしておくこともあり、炒ると柔らかくなるので、老人、子供向きである。またキビ黒豆も炒って混ぜ合わせることもある。このようにすべての材料を炒るため「お炒り」の名がつけられた。熱いお炒りの中に、飴(あめ)に砂糖を少々加えたものを入れて熱し、器に流し込んで固める方法もある。

多田鉄之助

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android