カイサーン派(読み)カイサーンは(英語表記)Kaysānīyah

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カイサーン派」の意味・わかりやすい解説

カイサーン派
カイサーンは
Kaysānīyah

イスラム・シーア派の一分派の名称。この派の指導者ムフタールアリーの子ムハンマド・イブヌル・ハナフィーヤをイマームに戴いて,685年クーファで乱を起した。カイサーン派の名前はムフタールの軍隊にいたマワーリーの長カイサーン・アブー・アムルによるといわれる。これがシーア派のイマーム思想の始りである。 687年この乱の鎮圧後,カイサーン派はいくつもの分派に分裂した。その一つは 700年にムハンマドが没すると,彼は死んだのではなく「隠れイマーム」になり,いつか救世主として地上を支配すると主張した。このマフディー (救世主) 思想はシーア派の思想の中核となっていった。また別の一派は,ムハンマドの子アブー・ハーシムがイマームの位を継いだと主張した。この派は「ハーシム派」と呼ばれ,その一部は,アブー・ハーシムの死後イマーム位はアッバース家に移ったと主張して,アッバース朝革命に道を開いた。

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