カイミジンコ(読み)かいみじんこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイミジンコ」の意味・わかりやすい解説

カイミジンコ
かいみじんこ / 貝微塵子

節足動物門甲殻綱ポドコーパ目Podocopaの海産動物の総称ウミホタルの属するミオドコーパ目とともにいわゆる貝形亜綱を形成する。体は石灰質の2枚の殻で左右から包まれている。一般に殻長1ミリメートル内外、左右の殻は背側で接し、靭帯(じんたい)と閉殻筋の働きで開閉する。両殻のすきまから触角付属肢を出し、泥底を歩いたり、水面まで泳ぎ上がったりして餌(えさ)をあさる。全世界の既知種は約2500種に上るが、浅い池や溝、水田などにすむ種が全体の3分の2を占める。殻表に複雑な凹凸彫刻があることが多いが、小形であるため同定は容易ではない。一般に雄が少なく、淡水産の種は単為生殖をするものが多く、春から夏にかけて急激に増殖する。

[武田正倫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android