カクベンケイガニ(読み)かくべんけいがに

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カクベンケイガニ」の意味・わかりやすい解説

カクベンケイガニ
かくべんけいがに / 角弁慶蟹
[学] Sesarma (Parasesarma) pictum

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目イワガニ科に属するカニ近縁のいわゆるベンケイガニ類中でもっとも陸上生活に適応しており、海から遠く離れた上流域でもみることができる。相模(さがみ)湾から九州までの各地のほか、台湾、中国北部、スラウェシセレベス)島から知られている。甲幅2センチメートルに達し、甲の輪郭はほぼ正四角形。眼窩(がんか)外歯の後方には歯がなく、はさみ脚(あし)の掌部(しょうぶ)上面に黒色の剛毛が並んだ稜(りょう)が2列ある。また、可動指の上縁に18か19個の顆粒(かりゅう)が並んでいる。これらの特徴の組合せを、分類学上、亜属と考えるか属とするかには異論がある。

[武田正倫]

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