改訂新版 世界大百科事典 「カツィナ」の意味・わかりやすい解説
カツィナ
Katsina
西アフリカのナイジェリア北部の都市。人口20万2000(1995)。北方のニジェール共和国との長い国境線の中央部に接し,ニジェールの町マラディと関係が深い。北部ナイジェリアの農業生産物の集散地で,雑穀,落花生,綿,皮革などを産出し,皮革製品を特産とするサバンナの商業都市である。いわゆるハウサランド(ハウサ族の世界)に属し,17世紀から18世紀にかけては,このサバンナ地帯に存在した七つのハウサ族の都市国家のうち最大であった。1807年に遊牧のイスラム教徒であるフルベ(フラニ)族に征服された。ハウサ族もすでにイスラム化していたので,この町はエミール(イスラム教徒の長)の居城を中心に,イスラム商業都市の色彩が強い。
執筆者:西野 照太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報