カッパドキア洞窟修道院(読み)かっぱどきあどうくつしゅうどういん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カッパドキア洞窟修道院」の意味・わかりやすい解説

カッパドキア洞窟修道院
かっぱどきあどうくつしゅうどういん

トルコアナトリア高原の南東部にあるカッパドキア地方には凝灰岩が侵食されてできた数千の奇岩が連なっているが、それを掘り抜いてつくられた修道院聖堂をさす。これらがつくられたのは4世紀に入ってからのことらしいが、その最盛期は11世紀といわれる。現在のギョレメ、ゼルベ、チャプシン、ソアンルーにとくに多いが、内部は多く素朴な壁画で飾られ、幾世紀にもわたっているその遺跡は美術史上も注目されている。この地方は、4世紀後半東方におけるキリスト教的思想や修道制の発展に大きな役割を演じ、「カッパドキア三星」とうたわれた三教父たちの故郷であったことも、これら修道院の叢生(そうせい)を促すに力あったであろう。

[今野國雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android