改訂新版 世界大百科事典 の解説
カナダ・ナショナル鉄道[会社] (カナダナショナルてつどう)
Canadian National Railway
1920年に制定されたカナダ国有鉄道法に基づき,4民営鉄道とその子会社の計99社を統合して誕生した国有国営の鉄道会社であったが,1995年に株式を民間に売却して民営企業となった。78年4月1日以降,経営のアキレス腱となっていた都市間旅客営業の経営責任は,新設のビア鉄道VIA Railに肩代りされたので,貨物輸送を主体とする鉄道となった。しかし旅客列車の運転はビア鉄道との委託契約に基づき委託料を受けて行っている。そのなかにはモントリオールとバンクーバーを結ぶ大陸横断列車スーパー・コンティネンタル号やモントリオール~トロント間の高速列車が含まれている。カナダ,アメリカ,メキシコを結ぶ営業キロは1万7986マイル(2002)。年間営業収入65億カナダ・ドル(2004年12月期)で,鉄道運輸事業以外にも,通信,トラック運輸,ホテル,海運,不動産などの事業に進出し,多角経営を行っている。
執筆者:福島 政和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報