改訂新版 世界大百科事典 「カフィエーロ」の意味・わかりやすい解説
カフィエーロ
Carlo Cafiero
生没年:1846-92
イタリアの社会主義者。パリ・コミューンに影響され,ロンドンで第一インターナショナル総評議会のエンゲルスと接触。運動組織の任務を託され帰国,ナポリで活躍中バクーニンの影響下に入る。1872年インターナショナル・イタリア連合の創設を主導。総評議会との決裂後,アナーキズムに立つ〈反権威〉インターナショナルの結成に参画。77年〈行為の宣伝〉を唱え,マラテスタ等とマテーゼに蜂起。獄中で《資本論綱要》を著して,マルクス主義の普及に貢献。フランス,スイスに亡命,クロポトキン等と協力した。《アナルシーとコミュニスム》(1880)において,アナーキズムとコミュニズムの不可分性を説いた。夫人はロシア人ナロードニキのオリンピア・クトゥゾフ。
執筆者:戸田 三三冬
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報