カリアー・アンド・アイブズ(英語表記)Currier & Ives

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

カリアー・アンド・アイブズ
Currier & Ives

19世紀のアメリカで最大の石版画出版商会。経営者の N.カリアー (1813~88) は 15歳のときから出版社で働き,1834年ニューヨークで独立。一方 J. M.アイブズ (24~95) は 52年帳簿係としてカリアーの店に入り,美術の才能を示して 57年から共同経営者となった。出版される絵はアメリカの風俗画が多く,娯楽的な図柄が好まれた。単色で刷り上げられた絵は,数人の女性によって流れ作業式に筆で色づけされ,当時のカタログには 1100種の図柄があげられている。アメリカ国内主要都市およびロンドンに販売代理店がおかれ,通信販売も利用された。商会に関係した画家イラストレーターには,重要な人たちも多い。カリアー,アイブズの死後,商会は2人の息子たちに受継がれ 1907年まで続いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android