岩石学辞典
「カルクアルカリ系列」の解説
カルクアルカリ系列
カルク・アルカリ質系列では結晶分化作用の結果,残液のSiO2が急速に増加し,FeOが減少する.造山帯の一部に産出し,弧状列島や大陸縁の造山帯の安山岩,石英安山岩の大部分がこの系列に含まれる.しかしこれらの岩石は安山岩質な本源マグマから始まることが多いかも知れない.カルク・アルカリ質系列の岩石はカルク・アルカリ質玄武岩→安山岩→石英安山岩→流紋岩と進化する.斑晶鉱物はMg-橄欖石→斜方輝石およびオージャイト→角閃石→黒雲母が晶出する.橄欖石と斜方輝石の間には反応関係が見られる.石基には角閃石や黒雲母は晶出せず,シリカ鉱物が出現する[鈴木 : 1994].⇒カルク・アルカリ岩
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のカルクアルカリ系列の言及
【岩石系列】より
…この場合,これらの岩石は一つの岩石系列に属するという。日本列島で用いられる岩石系列には,(1)低アルカリソレイアイト系列,(2)高アルカリソレイアイト系列あるいは高アルミナ系列,(3)アルカリ系列,(4)カルクアルカリ系列がある。東北日本弧では産出地が(1)(2)(3)の順に海溝側から大陸側に向かう規則性があるが,西南日本弧では(1)を欠く。…
※「カルクアルカリ系列」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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