カルチェフ(読み)かるちぇふ(その他表記)Камен Калчев/Kamen Kalchev

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルチェフ」の意味・わかりやすい解説

カルチェフ
かるちぇふ
Камен Калчев/Kamen Kalchev
(1914―1988)

ブルガリアの作家。本名ペタル・ミテフ・カルチェフ。神学校卒業後、法律事務所で働くが、反ファシズム活動のため投獄された。そのときのことを長編『生者は憶(おぼ)えている』(1950)に描く。その後、自由大学で財政学を学び、数年後、新聞や雑誌の編集に携わって編集長も務めた。作品は60冊余あり、人間性を抑圧されつつ生きる男女を描いて教条主義を指弾した長編『新しい町での二人』(1964。邦訳『愛の終り』)、短編集『わが苦悩の町』(1980)、長編『マリアの歌』(1983)、『三番め』(1985)、『平和な時』(1986)をはじめ、ルポルタージュ伝記、旅行記、戯曲など、あらゆるジャンルでユーモアと皮肉を交えつつ社会問題を抉(えぐ)り出した。少年少女向きにも、何回も版を重ねた『労働者階級の息子』『銀の鍵(かぎ)』(ともに1973)ほか多数。1962~64年ブルガリア作家同盟議長。ディミトロフ文学賞受賞者。

[真木三三子]

『矢代和夫ほか訳『現代東欧文学全集 ノンカの愛/愛の終り』(1967・恒文社)』

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