ドグマティズムdogmatismの訳語で,元来,科学的証明なしに,ドグマ(宗教上の教義や教条)にもとづいて〈世界の事象〉を説明することをいう。歴史的には一般に中世のスコラ学が代表的なものといわれる。無批判的な独断にもとづくという意味で独断主義,定説主義ともいわれ,今日ではマルクス主義において否定的な意味で用いられている。ヘーゲルは教条主義を形而上学的思考として弁証法に対置して批判し,マルクス主義では,特定の理論,命題を,事物の変化,条件や環境の変化を考慮せずに機械的に現実に適用する態度をさして批判した。政治的には,とくに革命運動や各種の政治的急進主義の中に,条件の変化を認めずに教義から帰結される運動や方針を実行する傾向がみられ,しばしば教義への保守的態度と,運動をめぐる条件を無視した過激な急進主義とを伴うこととなる。また,宗教運動などで特定の教義に固執し,いっさいの変化を認めようとしないファンダメンタリズムも,このような態度のあらわれである。
執筆者:下斗米 伸夫
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語源的には、教会によって権威づけられ、永久の真理として簡潔にまとめられた教義をさす教条(ドグマ)に由来する。一般には、既成の権威ある教説や命題などに、いついかなる条件のもとでも妥当する不変の真理として固執し、具体的な条件のもとでの創造的な発展や、新しい経験に基づく批判的検討などを欠いた硬直した思考態度を意味するが、とくにマルクス主義の用語として用いられる。この場合、マルクス主義の原則を具体的・歴史的情勢や各国の特殊な条件に創造的に適用したり、社会的実践から生まれる歴史的経験に基づいて積極的に発展させることを怠り、皮相に理解されたマルクス、エンゲルス、レーニンの個々の字句にしがみついたり、外国の党や指導者の見解を機械的に持ち込んだりする態度をさす。経験主義や修正主義と対立概念をなすが、これらと同様に主観主義の一形態であり、組織的にはセクト主義につながる。
[池田光義]
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