カンプチア人民共和国(読み)カンプチアじんみんきょうわこく(その他表記)People's Republic of Kampuchea; PRK

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンプチア人民共和国」の意味・わかりやすい解説

カンプチア人民共和国
カンプチアじんみんきょうわこく
People's Republic of Kampuchea; PRK

1979年1月11日,カンボジアに侵攻したベトナム軍占領下に樹立が宣言された共和国。カンボジア人民共和国ともいう。国家元首はカンプチア救国民族統一戦線議長で親ベトナム派のヘン・サムリン。ベトナム軍に支援されて民主カンプチアポル・ポト政権を崩壊させたものの,1982年同派にシアヌーク派,ソン・サン派を加えて成立した民主カンプチア連合政府 CGDKとの間に激しい内戦を強いられた。国際的にもベトナムの傀儡とみなされ,ベトナムおよびその後ろだてであったソビエト連邦や親ソ連派諸国以外からは孤立せざるをえなかった。1987年12月 CGDKの大統領ノロドム・シアヌークと人民共和国首相フン・センの直接会談,1989年9月のベトナム軍撤退を契機に実効支配が認知された。この間 1989年5月,国名をカンボジア国に改称,同国の永世中立を宣言し,カンボジア和平への姿勢を示した。1990年9月,反ベトナム 3派(民主カンプチア連合政府)とともに最高国民評議会 SNCを結成。

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