20世紀西洋人名事典 「カールヤスパース」の解説
カール ヤスパース
Karl Jaspers
1883.2.23 - 1969.2.26
ドイツの哲学者。
元・ハイデルベルク大学教授,元・バーゼル大学教授。
オルデンブルク生まれ。
ハイデッカーと並んでドイツ実存主義を代表する哲学者。初め法学を学ぶが、医学に転じハイデルベルク大学の精神医学部で学位を取得。1903年「精神病理学総論」を発表し精神病理学者としての地位を確立。’16年ハイデルベルク大学心理学教授を経て、’21年同大学哲学教授就任。10年余に及ぶ思索ののち3巻からなる大著「哲学」を著し、限界状況における挫折を直視することによって超越者の暗号の世界へと立ちいでていく立場を体系化して、現代実存主義哲学の基礎を築いた。’37年ナチス政権によりユダヤ系のゲルトルート夫人との離婚勧告を拒絶して教授の職から追放された。第二次大戦後の’45年ハイデルベルク大学に復職し大学の再興に尽力。’48年スイスに移住し、バーゼル大学教授となり’61年退職。他の著書に「世界観の心理学」(’19年)、「現代の精神的状況」(’31年)、「理性と実存」(’35年)、「歴史の起源と目標」(’49年)、「啓示に面しての哲学的信仰」(’62年)等がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報