出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ちなみに,西周の邦訳した前述のヘーブンも,意識を〈みずからの諸現象を認知している心の状態ないし作用〉と定義している。このような意味での意識をとくに重視するものに,現代の実存主義の哲学がある。例えばハイデッガーは,人間特有の在り方を〈前存在論的〉な〈自己了解〉にあるとみなし,そうした在り方を〈実存〉と呼んだが,サルトルも,いわゆる無意識とは実は〈非定立的自己意識〉,すなわち非主題的,非対象的な自己意識にほかならないとして,無意識の存在を否定し,人間の根源的自由を力説した。…
… 43年以降は,学位論文で確認した〈ソクラテス的アイロニー〉のもつ否定的弁証法を著作活動に生かし,実名で刊行した多くの宗教講話に並べて,偽名で《あれか―これか》《反復》(以上1843),《哲学的断片》《不安の概念》(以上1844),《哲学的断片への後書》(1846),《死に至る病》(1849),《キリスト教における修練》(1850)などの文学的・哲学的・宗教的な著作を発表。大地震体験における罪の内面深化とレギーネ体験に基づく愛の内的反復とが,これらの作品を通して〈いかにして真のキリスト者になるか〉という課題に昇華され,当時のヘーゲル主義的思弁の哲学や神学に対して,主体的な実存の立場を打ち出すこととなった。その間,46年には風刺的大衆誌《コルサール(海賊)》の人身攻撃にあい,9ヵ月に及ぶ執拗な漫画入り嘲笑記事のために衆人の侮辱を浴びた。…
…以来,精神や自我とコギトとのかかわりをめぐってさまざまな論議が戦わされて今日に至っている。 (1)コギトを重んずる現代の哲学としては,何よりもまず実存主義の哲学があげられる。例えばハイデッガーは,人間をたえず〈前存在論的〉に〈自己了解〉しているものととらえ,そうした人間の在り方を〈実存〉と呼んだが,サルトルはそのような自己了解を〈非定立的自己意識〉と規定して,実存をコギトに直結させようとした。…
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[古代,中世における自然法]
伝統的な存在論哲学では自然法は,人間の〈存在〉充足に関連していて,それは人間存在充足の形而上学的条件である。つまり人間をもしそれが何であるか,と問う観点からみれば人間の〈本質essentia〉が問われ,同じ人間をそれは存在するかどうかを問う観点では人間の〈実存existentia〉が尋ねられているのであるが,個々の具体的な人間は,この本質と実存との不可分的合体である。そしてプラトンはこの本質をイデアと呼び,アリストテレスやトマス・アクイナスはこれを形相(エイドス)と呼んだ。…
…人間の本来的なあり方を主体的な実存に求める立場。実存existence(existentia)とは現実存在の意であり,元来は中世のスコラ哲学で本質essence(essentia)の対概念として用いられた表現である。…
…20世紀前半を代表する哲学の一分野で,実存の哲学の前段階を成す。理性を強調する合理主義の哲学に対し,知性のみならず情意的なものをも含む人間の本質,すなわち精神的な生に基づく哲学が〈生の哲学〉であり,ベルグソン,R.オイケン,ディルタイ,ジンメル,オルテガ・イ・ガセットなどを代表とする。…
※「実存」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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