ガルム(英語表記)Garmr

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガルム」の意味・わかりやすい解説

ガルム
Garmr

ギリシア神話ケルベロスなどと似た,北欧神話冥府番犬死者の国の入口にあたるグニパヘリルと呼ばれるけわしい洞窟に住み,地獄の女王ヘルの館の門を守護する。ラグナレクのときには,魔軍の有力な一員として,神々の軍勢と戦い,チル神と壮烈な死闘を演じともに死ぬとされる。

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世界大百科事典(旧版)内のガルムの言及

【イヌ(犬)】より

… 冥府の番犬は,北欧神話にも出てくる。死の女神ヘルに飼われているガルムGarmrで,世界の終りのラグナロクのときがくると,鎖を断ち切って神々と魔物の軍勢との決戦に参加し,神々の中でもとくに勇敢なテュールと戦って相打ちになるという。インド神話の死者の国の王ヤマ(閻魔王)も,目がそれぞれ四つずつある2頭の犬を所有している。…

【ソース】より

…ソースの語源はラテン語のsalsus(塩をしたの意)で,さらにsal(塩)までさかのぼることができる。ソースの原形は古代ローマで盛んに作られていた調味料〈ガルムgarum〉にみられる。ガルムは,サバ,アンチョビー,ニシンなどの魚の内臓を樽に入れ,塩を加えて発酵させてできた汁をこしたもので,これを料理にふりかけたり,酢,水,油などと合わせて用いていた。…

【調味料】より

…また,現在東南アジア一帯に魚を塩漬にして発酵させた魚醬(ぎよしよう)が広く用いられているが,ヨーロッパにはアンチョビーがあるくらいである。しかし,古代ローマにはガルムgarumと呼ぶ魚醬があり,盛んに調理に用いられていたのだが,それも前記のようにいわゆる調理ソースに席を譲ってしまったのである。
[日本の調味料]
 《和名抄》巻十六に〈塩梅類〉という個所があるが,この塩梅類というのがどうやら今の調味料の語に相当しそうである。…

※「ガルム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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