冥府(読み)メイフ

世界大百科事典 第2版の解説

めいふ【冥府】

死後におもむく他界の一つ。冥界黄泉(よみ)などともいい,英語のhellがこれに相当する。冥府観は,民族により,宗教によって多様であるが,本項では日本への影響の大きかった中国のものについて記述する。ひろくは〈地獄〉〈他界〉〈黄泉国〉〈〉などの項を参照されたい。 古代中国では,死者の霊魂の帰する所は〈黄泉〉〈九泉〉〈幽都〉などと呼ばれ,本来地下にあると考えられたが,後には北方幽暗の地にあるとする説も生じた。

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精選版 日本国語大辞典の解説

みょう‐ふ ミャウ‥【冥府】

〘名〙 (「みょうぶ」とも) あの世。冥土。めいふ。
※前田本下学集(室町末)「冥府 ミャウふ」

めい‐ふ【冥府】

〘名〙 死後の世界。冥土。特に、地獄。閻魔(えんま)の庁。みょうふ。
※正法眼蔵(1231‐53)行持「薦福先公冥府
※妾の半生涯(1904)〈福田英子〉五「遂に冥府(メイフ)の人となりけるなり」 〔雲笈七籤〕

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世界大百科事典内の冥府の言及

【地獄】より

…死後赴くべき他界の一つ。冥界,冥府,陰府(よみ)などともいい,英語のhell,ドイツ語のHölle,フランス語のenfer,イタリア語のinfernoなどに相当する。一般に,墓地の情景や死体の腐乱過程との連想から生みだされたものだが,超常的な観念や表象によって作りだされた場合もある。…

【冥途】より

…この迷いの世界は地獄,餓鬼,畜生の三悪道で,そこは暗く,苦しい世界なので幽冥の処,すなわち冥途と呼んだ。死後の迷いの世界を幽冥とするのは仏教本来のものではなく,道教の冥府(めいふ)の信仰との習合によるものである。閻羅王(または閻魔王,閻魔)をはじめとする十王や多くの冥官(冥府の役人)によって亡者は罪を裁かれ,それ相応の苦しみに処せられると信じられるようになったのは,おそらく中国の唐末期,9世紀後半からであろう。…

※「冥府」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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