ガロ・ロマンス語(読み)ガロ・ロマンスご(その他表記)Gallo-Romance language

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガロ・ロマンス語」の意味・わかりやすい解説

ガロ・ロマンス語
ガロ・ロマンスご
Gallo-Romance language

ローマ帝国領土となったガリアの地,すなわち現在のフランスで使われた俗ラテン語。これが変化をとげて現在のフランス語になった。ローマ人に征服されたガリア人 (ケルト人) の本来言語である大陸ケルト語は5世紀頃までには消滅してしまったが,基層言語としてラテン語にかなり大きな影響を与えたと考えられている。特に音声的に,母音間の子音の弱まり,強勢のない母音の弱まりや脱落,[u]→[y]の変化など,4~11世紀にいくつかの重要な変化が生じた。

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世界大百科事典(旧版)内のガロ・ロマンス語の言及

【ロマンス語】より

…標準語を発達させた言語の場合,例えば単に〈イタリア語〉というときにはその標準語,すなわち〈標準イタリア語〉を指す,というようなことが多い。なお,上記(1)(2)(3)の言語をまとめてイベロ・ロマンス語Ibero‐Romance,(4)(5)(6)をガロ・ロマンス語Gallo‐Romance,(7)(8)(9)の言語をイタロ・ロマンス語Italo‐Romance,(10)(11)をバルカン・ロマンス語Balkan‐Romanceと称することがあるが,(3)や(7)などの位置づけに関しては異論のあるところである。 ラテン語,またその後身であるロマンス語の普及した地域を,ときに〈ロマニアRomania〉と呼ぶが,これはローマ帝国の行政上の版図と完全に一致するものではない。…

※「ガロ・ロマンス語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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