ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガーソン」の意味・わかりやすい解説
ガーソン
Garson, Greer
[没]1996.4.6. アメリカ合衆国,テキサス,ダラス
イギリスの映画女優。フルネーム Eileen Evelyn Greer Garson。上品な古典的美人女優として第2次世界大戦中のハリウッド映画界で格別の人気と尊敬を集めた。ロンドンに生まれ育ち,奨学金を得てロンドン大学に進学。家族の勧めで教員を目指した。卒業後,エンサイクロペディア・ブリタニカや広告会社での勤務を経て,1932年バーミンガム・レパートリー劇団で初舞台を踏んだ。1938年ルイス・B.メイヤー社長に請われてメトロ=ゴールドウィン=メイヤー MGMと契約を結んだ。ハリウッドでは最初の 1年こそふるわなかったが,イギリスで撮影した映画『チップス先生さようなら』Goodbye, Mr. Chips(1939)でチャーミングな妻を演じ,アメリカ合衆国の映画ファンを魅了した。『ミニヴァー夫人』Mrs. Miniver(1942)では,苦境にあっても気品と勇気を失わない良妻賢母を演じてアカデミー賞主演女優賞を獲得するとともに,アメリカ国民の戦意高揚に寄与したと評された。『ルーズベルト物語』Sunrise at Campobello(1960)で 7回目のアカデミー賞候補になったのち,慈善事業に活動の中心を移した。
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