キャッスル因子(読み)キャッスルいんし(その他表記)Castle's factor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キャッスル因子」の意味・わかりやすい解説

キャッスル因子
キャッスルいんし
Castle's factor

内因子のこと。胃液中に存在するビタミン B12 吸収に必要な糖蛋白質のこと。アルカリには安定であるが熱には不安定。胃底部から分泌され,ビタミン B12 と非常に強い親和性があり,腸管壁の特殊な受容体に付着して,回腸からのビタミン B12 の吸収を促進させる作用がある。食物中のビタミン B12 は,この内因子が存在すれば約 70%が吸収されるが,存在しない場合は2%以下しか吸収できない。悪性貧血患者の胃液中には内因子が欠如している。 1929年にアメリカ合衆国の医師ウィリアム・B.キャッスル (1897~1990) がこの因子の役割を解明したため,この名がある。

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栄養・生化学辞典 「キャッスル因子」の解説

キャッスル因子

 →内因子

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