キャッチオール規制(読み)キャッチオールキセイ(英語表記)catch‐all security export control

デジタル大辞泉 「キャッチオール規制」の意味・読み・例文・類語

キャッチオール‐きせい【キャッチオール規制】

大量破壊兵器などに転用可能な輸出品目に関する、貿易管理ルールの一つ外国為替及び外国貿易法に基づく。リスト規制より広範な品目について、経済産業省への輸出許可申請を義務付けている。補完的輸出規制。→ホワイト国非ホワイト国

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「キャッチオール規制」の解説

キャッチオール規制

輸出に当たり、製品、材料、技術(設計図、ノウハウなど)が相手国によって大量破壊兵器(WMD)やミサイルの開発、生産に利用される可能性がある場合に、貿易管理を担当する政府機関(日本は経済産業省)に輸出許可の申請を行う制度。従来のWMDやミサイル、通常兵器に利用される製品、材料、技術を特定して輸出規制を行う方式(リスト規制)では不十分と認識され、食料品や木材など一部の非既製品を除き(食料加工に使われる凍結乾燥装置などは生物兵器の生産に利用できるため規制対象になる)、原則としてあらゆる製品、材料(日本の安全保障貿易管理では「貨物」と呼ばれる)、技術(同、実体のないものを指す)が規制対象となる。ただし懸念がないとされる25カ国(ホワイト国)に対しては、核不拡散条約化学兵器禁止条約などで規定されている既存の輸出規制対象品目でない限り、許可を必要とせずに輸出できる。日本では2002年4月1日から施行され、03年4月と05年4月に規制内容が強化された。WMDに転用される貨物の例40品目や、疑惑がある外国の組織、会社などの名前(ユーザーリスト)が公表されている。

(江畑謙介 拓殖大学海外事情研究所客員教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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