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外国為替及び外国貿易法(読み)がいこくかわせおよびがいこくぼうえきほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

外国為替及び外国貿易法
がいこくかわせおよびがいこくぼうえきほう

昭和 24年法律 228号。外為法と略称される。もと「外国為替及び外国貿易管理法」。本法の特色は,(1) 外資,為替および貿易を一元的に管理する法律であること,(2) 国際通貨基金 IMF憲章の理念にそい,自由通商をたてまえとし,貿易為替の管理を最小限度にとどめることをうたっていることなどの点にある。 1979年末に改正され,1980年 12月1日施行のいわゆる新外為法では従来の外資に関する法律を廃止し,外資取引に関する規定を吸収,対外取引の原則を自由化する内容に改められた。それにより,外国為替取引資本取引は原則として自由となった (資本取引については例外的に一定の場合に許可・届け出が必要) 。さらに,日本版ビッグバン (金融制度改革) の一環として 1997年5月 16日に改正法が成立し,1998年4月1日より施行された。この改正により資本取引を含めた対外取引の自由化と外国為替業務の自由化が実現した。おもな改正点は,海外預金口座保有の自由化,居住者間の外貨決済の自由化,外国為替業務の自由化,両替業務の自由化,対外決済の自由化,証券取引の自由化などである。これにより為替リスクの低減がはかられ,取引コストの軽減が可能となるなど,国際金融市場のグローバル化に対応しつつ日本の金融・資本市場の活性化を目指す内容となった。

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デジタル大辞泉の解説

がいこくかわせおよびがいこくぼうえき‐ほう〔グワイコクかはせおよびグワイコクボウエキハフ〕【外国為替及び外国貿易法】

貿易の正常な発展、国際収支の均衡、通貨の安定を図ることなどを目的とした日本の貿易為替管理基本法昭和24年(1949)「外国為替及び外国貿易管理法」として制定、昭和54年(1979)大幅に改正(翌年施行)された。その後、外国為替取引の自由化を図るため、平成9年(1997)にも大幅に改正(翌年施行)されて現在の名称となる。外為法(がいためほう)。

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百科事典マイペディアの解説

外国為替及び外国貿易法【がいこくかわせおよびがいこくぼうえきほう】

貿易の正常な発展と国際収支の均衡を目的とする貿易為替管理の基本法として1949年〈外国為替及び外国貿易管理法〉の名称で公布。当初は自由通商尊重をたてまえとし,単一基準為替相場の公定,指定通貨,外国為替の集中,対外支払等の制限禁止,輸出入の管理等につき規定。1964年貿易為替自由化に即応して改正。1980年の大改正では,従来の原則規制例外自由から原則自由例外規制へと改められた。さらに1997年名称が〈管理〉の2文字を取った〈外国為替及び外国貿易法〉に改められ,日本版ビッグバンに向けて大幅な規制緩和が図られることになった。同法は1997年5月成立,1998年4月1日施行。同法により,外国為替取引にかかわる業務の多くが自由化された。
→関連項目外貨預金外国為替公認銀行為替管理技術輸出通関士橋本龍太郎内閣貿易管理令輸出貿易管理令輸入自動承認制輸入割当制若狭得治

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世界大百科事典 第2版の解説

がいこくかわせおよびがいこくぼうえきほう【外国為替及び外国貿易法】

外為(がいため)法と略称。日本の外国為替と外国貿易の規制に関する基本法である。外為法は,〈外国為替及び外国貿易管理法〉として1949年に公布されたが,当時は,私人の外国為替取引を原則として禁止し,政令で解除した場合にのみこれを認めるという立法政策をとっていた。その後,外為法は,原則自由,そして有事にのみ規制するという方向に改められた。すなわち,79年に全面的に改正され,87年および91年に大改正がなされ,さらに97年には法律名から〈管理〉が外されるなどの大幅改正(98年4月施行)を経て現在に至っている。

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大辞林 第三版の解説

がいこくかわせおよびがいこくぼうえきほう【外国為替及び外国貿易法】

外国為替、外国貿易、資本・役務取引等の対外取引に関する基本的な枠組みを定める法律。外国為替及び外国貿易管理法を1998年(平成10)改正・改題したもの。外為がいため法。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

外国為替及び外国貿易法
がいこくかわせおよびがいこくぼうえきほう

日本の国際取引に関する基本法。略称は「外為法(がいためほう)」。国際取引に対して為替(金融)の側面と貿易(物)の側面の両方からの規律を定めている。1949年(昭和24)制定。昭和24年法律第228号。かつては「外国為替及び外国貿易管理法」と称していたが、1997年(平成9)改正により「管理」の語が削除された(施行は1998年4月)。
 国際取引が縮小すると国内産業は保護されるが、国内需要は満たされない。他方、国際取引が拡大すると国内需要は満たされるが、国内産業は衰退し、さらに禁輸品の輸出入のおそれが増大する。それゆえ、国際取引に対する規制はその経済的背景事情に多く依存し、外為法も時代背景に応じてさまざまな改正がなされてきた。
 外為法が制定された1949年当時は、日本は経済基盤が脆弱(ぜいじゃく)であり、国際収支は赤字に悩んでいた。そこで国内産業を保護するため、為替管理を厳重な国家管理に服させることとした。同時期に「外資に関する法律」(昭和25年法律第163号)も制定され、対内直接投資に認可制度を導入した。その後日本は1964年にOECD(経済協力開発機構)へ加盟し、高度経済成長も相まって、諸外国からの為替自由化の要請が高まるなど、外為法の厳重な為替管理が日本の実情にあわなくなってきた。それを踏まえてなされたのが1980年改正であり、為替管理および投資管理の自由化に舵(かじ)をきったのである。同改正により「外資に関する法律」は廃止され、外為法に統合された。
 その後、冷戦構造下において設けられていた対共産圏輸出禁止措置に国内企業が違反して禁輸品の輸出を行った事件(ココム違反事件)が発生したことを踏まえ、1987年には、「国際的な平和及び安全の維持」を妨げる地域への特定の種類の貨物の輸出については、通商産業大臣(当時。現在は経済産業大臣)の許可を必要とするとの法改正がなされた。1989年から1990年にかけて日米において非公式折衝がもたれ、そこではよりいっそうの自由化・市場開放が求められた(日米構造問題協議)。これを踏まえ、1991年改正により、対内直接投資について、大蔵大臣(当時。現在は財務大臣、以下同様)および事業所管大臣への事前届出が必要であったところを、事後報告制に改めた。さらに、金融・資本取引のグローバル化を背景に、日本の市場を国際的に魅力あるものとするためには、よりいっそうの自由化・規制緩和が必要であった。それを踏まえてなされた1997年改正では、外国為替管理の抜本的見直しがなされ、対外直接投資について大蔵大臣への事前届出制から事後報告制へと改めたことを中心に、対外取引の完全な自由化が目ざされた。また、「外国為替及び外国貿易管理法」という名称の「管理」という語は、「統制」に近い意味を有することから、自由化が進んだ改正法にはそぐわないとの理由により削除された。
 なお、その後も「我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるとき」には、資本取引を許可制とし、輸出入を承認制とする2004年(平成16)改正、安全保障上機微な技術(大量破壊兵器などに転用可能な技術)の国外流出についての規制を強化する2009年改正など、法改正は続いている。[武田典浩]
『松下満雄著『国際経済法』第3版(2001・有斐閣) ▽山田鐐一・佐野寛著『国際取引法』第3版補訂2版(2009・有斐閣) ▽高桑昭著『国際商取引法』第3版(2011・有斐閣) ▽中川淳司・清水章雄・平覚・間宮勇著『国際経済法』第2版(2012・有斐閣)』

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