改訂新版 世界大百科事典 「ギドブルー」の意味・わかりやすい解説
ギド・ブルー
Guide bleu
フランスのアシェット社出版の旅行案内書。イギリスのマレーMurray,ドイツのベデカーBaedekerと並ぶ標準的旅行案内書。厚手の小型本で濃紺のハードカバーが特徴であるが,小都市用にペーパーカバーのも出るようになった。アシェット社は1850年代初頭より歴史・美術史に詳しい案内書《ギド・ジョアンヌGuide Joanne》を出していたが,発達しはじめていたフランスの鉄道に目をつけ,鉄道旅行者用に《ギド・ブルー》をフランス各地方,ヨーロッパ各地方別に分冊で出して好評を得た(1919年より〈ギド・ブルー〉の名称をとる)。20世紀に入って出はじめた自動車用の《ギド・ミシュラン》が簡便さで好まれるのに対して,重厚さと詳しさで標準的案内書の位置を保っている。
執筆者:松原 秀一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報