ギドブルー(英語表記)Guide bleu

改訂新版 世界大百科事典 「ギドブルー」の意味・わかりやすい解説

ギド・ブルー
Guide bleu

フランスアシェット社出版の旅行案内書イギリスのマレーMurray,ドイツのベデカーBaedekerと並ぶ標準的旅行案内書。厚手の小型本濃紺ハードカバーが特徴であるが,小都市用にペーパーカバーのも出るようになった。アシェット社は1850年代初頭より歴史・美術史に詳しい案内書《ギド・ジョアンヌGuide Joanne》を出していたが,発達しはじめていたフランスの鉄道に目をつけ,鉄道旅行者用に《ギド・ブルー》をフランス各地方,ヨーロッパ各地方別に分冊で出して好評を得た(1919年より〈ギド・ブルー〉の名称をとる)。20世紀に入って出はじめた自動車用の《ギド・ミシュラン》が簡便さで好まれるのに対して,重厚さと詳しさで標準的案内書の位置を保っている。
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百科事典マイペディア 「ギドブルー」の意味・わかりやすい解説

ギド・ブルー

フランスのアシェット社刊行の旅行案内書。1841年にA.ジョアン〔1813-1881〕がスイス案内を書いて以降,各地別のものがあり有名。1919年―1928年にはロンドンのエルンスト・ベン社と提携,英語版〈ブルー・ガイド〉が出版され,その後はベン社が〈ブルー・ガイド〉の名を使用

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世界大百科事典(旧版)内のギドブルーの言及

【旅行案内書】より

… 現在,世界各地域を網羅し,国際的に評価の高い旅行案内シリーズとしては,上述の《ベデカー》が健在なのに加えて,イギリスでは,かつて《ベデカー》で英語版を担当したことのあるミュアヘッドJames Fullarton Muirhead(1853‐1934)による,歴史・文学に関する解説で定評のある《ブルー・ガイドBlue Guide》(1918創刊)が刊行されている。フランスでは,アシェットLouis Christophe François Hachette(1800‐64)による《ギド・ブルー》,空気入りタイヤの発明者ミシュランAndré Michelin(1853‐1931)による,自動車旅行者を対象とし,権威のあるホテル・レストラン案内で有名な《ギド・ミシュラン》,ナジェールLouis Nagel(1908‐ )による《ナジェール》がよく知られている。さらにアメリカでは,フォダーEugene Fodor(1905‐ )による,専門家の寄稿と毎年の改定で特色のある《フォダー》(1936創刊),またアメリカ国内の旅行案内書であるが,1935年から43年にかけて大恐慌後の文筆家に対する失業救済事業として完成した《アメリカ・ガイド・シリーズAmerican Guide Series》などがある。…

※「ギドブルー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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