ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クェリド」の意味・わかりやすい解説
クェリド
Querido, Israël
[没]1932.8.5. アムステルダム
オランダの小説家,評論家。ポルトガルから移住したユダヤ系の出身。困難な環境のもとで種々の職業につきながら,独学して作家生活に入った。ゾラの影響を受けた自然主義的傾向の小説『人生の行路』 Levensgang (1901) で絶賛を博した。これはアムステルダムのダイヤモンド加工の職人の生活を描いた作品。また,いちご畑で働く農民や日雇い労働者の生活を扱った『人間の悲哀』 Menschenwee (03) ,アムステルダムの労働者街に住む人々の生活を描いた4部作『ヨルダーン』 De Jordaan (12~25) も好評を得た。ほかにペルシアに取材した3部作の歴史小説『旧世界』 De oude wereld (18~21) がある。なお,弟 (筆名ヨースト・メンデス) も小説家。
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