クオ・ウァディス(読み)クオウァディス

百科事典マイペディア 「クオ・ウァディス」の意味・わかりやすい解説

クオ・ウァディス

シェンキエビチ小説。1896年発表。ローマ時代に材を取り,ネロの苛酷な迫害に耐え信仰を守りぬく初期キリスト教徒の姿を描いた。そこには,独立への苦難の道を歩む祖国ポーランドの運命が暗に重ね合わされている。題名は,ローマを去ろうとした使徒ペテロがアッピア街道上でキリストに〈主よ,いずこへ行きたもうQuo Vadis,Domine?〉と問いかけた言葉による。

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世界大百科事典(旧版)内のクオ・ウァディスの言及

【シェンキエビチ】より

…彼はまたワルシャワのミツキエビチ像建立に奔走するなど,創作以外の面でも民族意識の涵養に意欲的で,文字どおり19世紀後半を代表する保守実証主義の文化人であった。しかし彼の名を世界的に有名にしたのは次の《クオ・ウァディス》(1896)である。皇帝ネロの時代のローマで起きたキリスト教徒迫害を描いたこの長編は宗教文学としても成功をおさめ,日本にも明治30年代に初めて紹介されて以来,いくつもの翻訳が存在する。…

※「クオ・ウァディス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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