くだ(読み)クダ

デジタル大辞泉 「くだ」の意味・読み・例文・類語

くだ

[名・形動ナリ]《「くだくだしい」の略》くどいこと。煩わしいこと。また、そのさま。
「過ぎし青楼夜話に書きしごとく、言ふは―なれど」〈ひとりね・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「くだ」の意味・読み・例文・類語

くだ【管・

〘名〙
① 竹、木、金属、ゴムなどの、円筒形で、中がうつろなもの。
※古今著聞集(1254)一六「家にくだといふ小竹のよを多く散らしおきて」
② 機(はた)を織るとき、緯(よこいと)を巻いておいて、梭(ひ)に入れる道具。
※元祿版本新撰万葉(893‐913)上「雁がねの羽風を寒みはた織りの管子(クダ)巻く音のきりきりとする」
③ 糸繰車の紡錘(つむ)にはさんで糸を巻きつける小さな軸。〔日葡辞書(1603‐04)〕
④ 「くだ(管)の笛」の略。
書紀(720)天武一四年一一月(北野本訓)「大角・小角(クタ)、鼓・吹〈略〉の類は私の家に存(お)くべからず」
※万葉(8C後)二・一九九「吹き響(なせ)る 小角(くだ)の音も 敵みたる 虎か吼ゆると」
農機具の一種。刈り取った稲をこく道具。〔大和耕作絵抄(1688‐1704頃)〕
⑥ 「くだぎつね(管狐)①」の略。

くだ

〘名〙 (形動) (「くだくだしい」の略)
① くだくだしいこと。くどいこと。また、そのさまや、その事がら。また、転じて、よけいなこと。不必要なこと。
※評判記・剥野老(1662)序「にわ鳥をきつねにとらせんとひしめきかねつくやつめがくだては有ぞとうらみ」
※滑稽本・風来六部集(1780)里のをだ巻評「お江戸の吉原、一といふて二のなき事は、人々の知るところなれば、今更にいふがくだなり」
② 酒に酔ってくどくど不平などを言うこと。また、その不平。→くだを巻く
※蠢く者(1924)〈葛西善蔵〉「酔払って、おせい相手に毎晩の管を繰返してゐようと云ふ光景かね」
[補注]「管」と同語源と見る説もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android