くにのあゆみ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「くにのあゆみ」の解説

くにのあゆみ

第2次大戦後,文部省によって編纂された国民学校用日本史教科書。上下2冊。1946年(昭和21)春,文部省作成の歴史教科書の原稿には記紀神話が残っているとしてGHQが承認せず,全面的な編集やり直しの結果,省外の日本史研究者の執筆により9月に公刊。最後の国定歴史教科書。考古学的記述や庶民生活の登場など新しい歴史教科書の先駆けとなるが,進歩的学者教師から批判をうけた。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のくにのあゆみの言及

【歴史教育】より

…しかし連合国総司令部による歴史教育への批判はきびしく,同年12月31日には修身・地理とともに日本史の授業停止と教科書回収の指令が出された。翌46年9月,神話ではなく石器時代に始まる文部省著作《くにのあゆみ》などの新教科書の刊行により同年10月授業再開は許可されたが,初等教育段階における通史の学習は,翌47年9月の社会科の授業開始とともに行われなくなる。しかし中等教育段階では51年版学習指導要領で示された中学校の日本史,高校の日本史と世界史の内容構成は戦前のそれと異なり,原始社会,古代社会,封建社会,近代社会という時代区分の下に社会発展史的にとらえさせようとする画期的なものであった。…

※「くにのあゆみ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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