カリブ海のオランダ領アンティルに属する島。キュラソー島とも呼ばれる。面積444km2。人口13万5822(2005)。標高が低いため降水量は年間550mm程度と少なく,植生は耐乾燥性植物が主で,独特の灌漑果樹園で栽培されるオレンジの苦い果実から造られる酒は,島名にちなむキュラソーの名で知られている。1918年,ローヤル・ダッチ・シェル社の精油所が建設されて以来,この島はアルーバ島とともにベネズエラ原油の精製・貯蔵活動にほぼ完全に依存するようになっている。島民人口の25~30%を吸収するこの部門は,両島だけでなく,オランダ領アンティル諸島全体の経済をも大きく支えている。このような精油所の発展と,カリブ海域の商業中心地としての主都ウィレムスタットの成長につれて,家庭用水と工業用水の需要が増大,1957年には海水を淡水に変える蒸留装置が建設された。島は美しい海岸と快適な気候に恵まれ,観光産業も大きな収入源となっている。
執筆者:橋本 芳雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…スペインは60年にイギリスの同島保有を承認した。オランダは1634年,現ベネズエラ沖のクラサオ島を占領し,海賊と密貿易の基地とした。フランスは,イギリスのジャマイカ占領の後まもなく,イスパニオラ島の西部を占拠し,カリブ海の略奪と密貿易に加わった。…
…人口20万5000(1995)。主都はクラサオ島のウィレムスタット。15世紀末にコロンブス,オヘダ,ベスプッチにより次々と発見された。…
※「クラサオ島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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