精選版 日本国語大辞典 「工業用水」の意味・読み・例文・類語
こうぎょう‐ようすい コウゲフ‥【工業用水】
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製造工業において用いられる水をいい、工業生産に関連するすべての用途の水が含まれる。日本では工業用水を用いる産業、つまりここでの工業は、製造業、電気供給業、ガス供給業および熱供給業と定義され、これらが使う水のうち、水力発電用、飲用を除くものを工業用水としている。
淡水を主とするが、一部海水で代用されることもある。ほとんどすべての工業にとって、量や質の違いがあっても水は必要不可欠であるが、一般に使用量が多いのは冷却用水で、洗浄用水や製品処理用水がこれに次ぐ。ほかに原料用水、温調用水、ボイラー用水などがある。
業種別には、紙・パルプ、化学工業、鉄鋼業、発電などの高温や洗浄処理を伴う業種で大量に使用される。工業用水のうち、工業用水道、上水道、地表水、伏流水、井戸水などの用水源から工場内に取得される水を補給水という。これに対して、いったん取得された水が工程内を繰り返し循環利用されるものを回収水といい、冷却用水が好例である。
工業用水を大量に使用する用水型工業にとっては、大量で低廉に安定した水の供給が受けられる地域に工場を立地することが重要である。ただし、日本では水を普遍的存在の資源と一般にはみなし、工業用水の存在が企業にとっての重要な立地因子となることは少なかった。
高度成長期の日本では、用水需要が急増し、工業地帯における地下水の過剰揚水による地盤沈下や地下水の枯渇、また工業用水道の給水能力不足が大きな問題になった。そこで公営による公共工業用水道の増設がなされるようになった。現在では、この工業用水道が工業用水のなかで最大の水源比率を占めている。また、日本ではオイル・ショック以降、経営合理化に伴う水使用の合理化が図られ、回収率(工業用水利用に占める回収水の使用割合)が高くなっており、工業用水を大量に使う業種であっても、補給水を大量に使用し続けるものではなくなってきている。
[柾 幸雄・加藤幸治]
『肥田登著『日本の工業用水供給』(1982・多賀出版)』
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… 日本の工業出荷額は,第1次石油危機後の1974年と75年にやや前年を下回ったが,その他の年は年ごとに増加している。ちょうど石油危機のころまでは,工業出荷額の増加とともに,工業用水量(淡水補給量)も増え続けたが,石油危機を境に,工業出荷額は増加しているにもかかわらず淡水補給量は毎年減少し続けている。工場内での水の反復利用が進んだためである。…
… 用水を大別すると淡水と海水とになる。日本の淡水資源の賦存量は,年間総降雨量から蒸発量を差し引いた約4500億m3/年と考えることができ,これに対して,現在使われている淡水の用水量は,概略して,年間,上水道140億m3,工業用水490億m3(うち10億m3は上水道より供給),農業用水550億m3,水力発電用水4000億m3程度となっている。これらを総計すると,上記淡水資源賦存量を上回るが,それは,用水量が反復使用や再生利用の水量を含んだものであるからである。…
…塩水化した海岸地下水が淡水に戻るには長い時間が必要である。 地下水は農業用水,工業用水,また上水源として利用される。地表水と比べると土壌により水が浄化され衛生的にすぐれている。…
※「工業用水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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