ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラブツリー効果」の意味・わかりやすい解説 クラブツリー効果クラブツリーこうかCrabtree effect 呼吸を行なっている細胞にグルコースを与えると呼吸が押えられる現象。イギリスの H.G.クラブツリーが酵母について最初に見出した (1929) ので,その名で呼ばれる。抑制の機構については,糖の発酵が行われることによって細胞質で アデノシン二リン酸 ADP+無機リン酸→アデノシン三リン酸の反応が進み,酸化的リン酸化に必要な無機リン酸あるいは ADPがミトコンドリア内で枯渇するためとの解釈がなされている。動物では腫瘍細胞などで,この現象が著明にみられる。酸素の存在で解糖あるいは発酵が押えられるパスツール効果の相補的現象なので,逆パスツール効果の名で呼ばれることがある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by