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解糖 かいとう glycolysis

翻訳|glycolysis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

解糖
かいとう
glycolysis

筋肉その他の生体組織中でグリコーゲンが嫌気的にL-乳酸に変化すること。このとき発生するエネルギー一部分アデノシン三リン酸 ATPとして回収され,利用される。解糖は 10段階以上の酵素反応から成り,その大筋は次のとおりである。

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デジタル大辞泉の解説

かい‐とう〔‐タウ〕【解糖】

生体内で、グリコーゲンなどがピルビン酸乳酸などに分解すること。この反応により、筋肉収縮に必要なエネルギーが供給される。グリコリシス。→解糖系

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百科事典マイペディアの解説

解糖【かいとう】

生体内で炭水化物が嫌気(けんき)的に分解される過程。狭義には動物組織での乳酸発酵をさす。エムデン=マイヤーホフ経路に従い,ブドウ糖C6H12O6→乳酸C3H6O3の分解過程で5万8000calの自由エネルギーを遊離して2分子のATPを生産する。
→関連項目呼吸腫瘍生合成ブドウ(葡萄)糖

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栄養・生化学辞典の解説

解糖

 解糖過程,解糖系,解糖経路,エムデン-マイヤーホフ経路,エムデン-マイヤーホフ-パルナス経路ともよばれる代謝経路で,生物界に広く分布するグルコースの代謝経路.グルコースをピルビン酸,乳酸もしくはエタノールに分解する過程.酸素を必要とせず,NADが酸化剤となる嫌気的酸化経路.骨格筋とくに白色筋に発達している.20世紀初頭に酵母の無細胞系でグルコースがエタノールに酸化されることが発見されてこの系の反応の解析が進んだ.代謝中間体はほとんどリン酸エステル

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世界大百科事典 第2版の解説

かいとう【解糖 glycolysis】

グルコースまたはグリコーゲンをピルビン酸に転換させる生体反応系のことで,すべて嫌気条件下で進行するが,好気性生物においては,生成したピルビン酸がクエン酸回路で代謝される前段階に位置する。サイトソール(細胞質基質に相当する細胞の分画成分)で進行する10の反応は次の順序で進行する。(1)グルコースはリン酸化,異性化,そして第2のリン酸化反応によってフルクトース‐1,6‐二リン酸となる。これらの反応でグルコース1molあたり,2molのATP(アデノシン三リン酸)が消費される。

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大辞林 第三版の解説

かいとう【解糖】

ブドウ糖(グルコース)がピルビン酸にまで分解されること。生物界に広く見られる反応過程で、1モルのブドウ糖から正味2モルの ATP がつくられる。解糖系。 → TCA 回路( ABC 略語)
動物の体内でグリコーゲンやブドウ糖が無酸素的に分解されて乳酸になる過程。急激な筋収縮の際には、主としてこの反応でエネルギーを得る。 → 無気呼吸

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

解糖
かいとう
glycolysis

高等動植物とほとんどの微生物行われるグルコースから乳酸への嫌気的代謝経路をいう。グルコースはに示す1から11にわたる反応でリン酸化中間体を経て乳酸を生成する。広義には糖類がこの経路でピルビン酸となる分解過程を一般的にいう。肝臓や筋肉ではグリコーゲンが基質となる。単糖ではグルコースのほか、フルクトース、ガラクトース、マンノースも用いられる。生物がグルコースからエネルギーを得るもっとも古い起源の基本経路で、好気的な分解への予備経路となっている。好気条件下ではピルビン酸からTCA回路に入り酸化される。
 全体の反応式は次式となる。
 グルコース(C6H12O62乳酸(C3H6O3
 ピルビン酸までの代謝経路は酵母のアルコール発酵と共通で、解糖とアルコール発酵は互いに関連して研究が進められた。解糖系は最初に明らかにされた酵素系として、その後の酵素系研究の基礎となった。歴史的には19世紀末、ドイツのブフナーによる酵母無細胞系のチマーゼの発見(1892)に始まり、イギリスのハーデンとヤング、スウェーデンのオイラー・ケルピン、ドイツのエムデン、マイヤーホーフとワールブルク、アメリカのコリ夫妻、ポーランドのパルナスJ. K. Parnasら各国の偉大な生化学者によって、1940年ころまでにほぼ現在の経路が確立された。なかでも解明に力のあった研究者の名をとって、エムデン‐マイヤーホーフ経路ともいわれる。
 解糖系の酵素は細胞質の溶性画分に存在し、ほとんどが高度に精製、結晶化され、性質も明らかとなっている。解糖には無機リン酸、マグネシウムイオンMg2+とカリウムイオンK+、補酵素NADとADPなどが必要で、フッ化物、モノヨード酢酸、重金属などで阻害され、その作用箇所も知られている。
 解糖系は2段階に分けられ、第1段階はグルコースや他の糖がATP(アデノシン三リン酸)を消費してリン酸化され、グリセルアルデヒド-3-リン酸となる始動段階である(反応5まで)。第2段階ではNADの還元を伴う無機リン酸の取り込みがあり、高エネルギーリン酸中間体を経てATPが生成される。第1段階でグルコース1分子当り2分子のATPを用い、第2段階で4分子のATPを生成するので、差し引き2ATPができる。解糖で得られるATPとしてのエネルギーは、TCA回路で得られるものよりずっと少ないが、筋肉のような嫌気的な組織で短時間にエネルギーを得る方法として重要である。
 解糖系の反応は大部分可逆的であるが、1、3、10の反応は生理的条件では不可逆である。筋肉で過剰の乳酸が蓄積すると、乳酸は肝臓に戻されてふたたびグルコースが合成される。この際、10は他の迂回路(うかいろ)で、3、1は別の酵素で反応が進む。解糖の逆行によるグルコースの合成はグルコース新生といわれる。
 3は、調節機能をもつ酵素フォスフォフルクトキナーゼで触媒され、解糖系全体の反応速度を左右する主要な律速段階である。この酵素はATP、クエン酸、脂肪酸で阻害され、AMP、ADPで促進される。これは、好気的条件下でATPの供給が十分なときには解糖系が抑制されることを示す。19世紀にパスツールが酸素の存在下でアルコール発酵が抑制されることをみいだし、その現象の普遍性からパスツール効果として興味をもたれたが、この調節酵素の存在でほぼ説明された。
 解糖系はホルモンによっても間接的に調節を受け、血液中のグルコース量(血糖)が一定に保たれている。膵臓(すいぞう)のホルモンであるインスリンはグルコースのグリコーゲンや脂質への転化を促進して血糖値を低下させる。逆にグルカゴンとエピネフリンはグリコーゲンの合成を停止し、分解を促進して血糖を上昇させる。この際ホルモンは、作用物質である環状AMPを介してフォスフォリラーゼ(の1')を不活性型から活性型とし、グリコーゲン合成酵素(-1')を不活性型とする。[池田加代子]
『江上不二夫著『生化学』(1975・岩波全書) ▽A・L・レーニンジャー著、中尾眞監訳『生化学 上』(1977・共立出版) ▽入野勤他著『コメディカルのための生化学』(1997・三共出版) ▽栃倉辰六郎他監修、バイオインダストリー協会発酵と代謝研究会編『発酵ハンドブック』(2001・共立出版)』

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世界大百科事典内の解糖の言及

【呼吸】より

…ここからかえって,酸素は全身末梢組織に分配されるはずだとの正しい見通しが生まれた。 20世紀初めのエネルギー代謝の研究は,酸素を用いない解糖,発酵を中心にしていたが,有機酸から水素を奪う脱水素酵素の作用も,1920年代から明らかになる。呼吸とは酸素が直接に基質を〈燃やす〉のではなく,基質から奪われた水素が酸素と出会うことであるとの理解が,こうして整ってきた。…

【代謝】より

…われわれの栄養素として最も重要な糖,脂質,タンパク質,そしてさらに種の保存と遺伝情報の発現,伝達に不可欠な核酸を中心に整理すると次のようになる(図2)。 (1)解糖 グルコースが嫌気的に分解して,ピルビン酸,ATP,NADH各2分子を生成する経路で,主として細胞質で進行し,各種生体物質の生合成に必要な炭素骨格の供給と,エネルギー源としてのATPの生産を行う。(2)クエン酸回路(TCA回路) 解糖系につづく好気性のエネルギー代謝回路で,主としてミトコンドリアで営まれる。…

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