日本大百科全書(ニッポニカ) 「クーベリック」の意味・わかりやすい解説
クーベリック
くーべりっく
Rafael Kubelík
(1914―1996)
チェコの指揮者。父は著名なバイオリン奏者で作曲家のヤン・クーベリック(1880―1940)。プラハ音楽院を卒業、1934年チェコ・フィルハーモニーを指揮してデビュー、48年までチェコで活躍した。同年ロンドンに客演し、西欧での評価を高め、50~53年シカゴ交響楽団、55~58年ロンドンのコベント・ガーデン王立歌劇場音楽監督を経て、61~79年までミュンヘンのバイエルン放送交響楽団の常任指揮者を務めた。65年(昭和40)この楽団と初来日。86年に重傷を負い指揮活動から離れていたが、チェコ民主化後の90年「プラハの春」音楽祭に、チェコ・フィルを指揮して42年ぶりに祖国での復帰公演を果たした。91年チェコ・フィルを率いて来日公演。レパートリーは広く、華美を避けた情感豊かな演奏を得意とした。交響曲をはじめ、かなりの作品も作曲している。
[岩井宏之]