メキシコ市の北東にある郊外都市で、1531年、インディオに聖母が出現した奇跡を記念して、グアダルーペ聖母教会が建てられた。奇跡の聖母像の肌は暗褐色で髪は黒く、アステカの母神トナンティンと聖母マリアの習合を示している。1754年、ヌエバ・イスパニアの守護聖人と公認され、1810年の独立運動の指導者イダルゴ神父がこの聖母を旗印として戦ったのにちなんで、この市名が生まれた。1848年、アメリカ合衆国とメキシコとの戦争終結の条約(グアダルーペ・イダルゴ条約)はここで調印された。1904年、教皇ピウス10世がこの聖母をメキシコの最高の守護聖人としたが、現在ではラテンアメリカ全域で崇敬され、毎年数百万の巡礼者が参詣(さんけい)する聖地となっている。
市はメキシコ市の衛星住宅都市(メキシコ連邦区に含まれる)で、正称はグスタボ・ア・マデロ。印刷、金属細工、織物、化学などの工業も行われる。人口10万8881(2000)。
[藤田富雄]
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