改訂新版 世界大百科事典 「グエンバンティエウ」の意味・わかりやすい解説
グエン・バン・ティエウ
Nguyen Van Thieu
生没年:1923-2001
南ベトナムの軍人,政治家。日本ではグエン・バン・チューとも呼ぶ。中部ベトナムのニントゥアン出身。もともと陸軍将校であったが,1963年のゴ・ディン・ジェムに対するクーデタに参画して頭角を現し,67年に大統領となった。以降アメリカの支援を受けて北ベトナム,解放戦線に対抗すると共に,グエン・カオ・キ副大統領らの反対勢力を失脚させて,71年には大統領に再選され,独裁体制を確立した。しかし73年のパリ協定締結以降アメリカの軍事的後ろ楯を失い,74年には反体制運動の盛上りに直面した。75年になると北ベトナム,解放戦線の攻勢を受け,ついに4月21日に辞職。サイゴン陥落直前に国外に逃亡した。
→インドシナ戦争
執筆者:白石 昌也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報