ぐむ(読み)グム

デジタル大辞泉 「ぐむ」の意味・読み・例文・類語

ぐ・む

[接尾]動詞五(四)段型活用》名詞に付いて動詞をつくり、そのものが現れはじめる、現れる直前になるなどの意を表す。「涙―・む」「芽―・む」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぐむ」の意味・読み・例文・類語

ぐ・む

  1. 〘 接尾語 〙 ( 四段型活用 ) 名詞に付いて、そのきざしが現われてくることをいう。そのものが現われはじめる。または、現われる直前までくる。
    1. [初出の実例]「千人にもかへつべき御さまにて、深う尋ね参り給へるを見るに、あいなう涙ぐまる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
    2. 「瓜を取り出でたりけるが、わろくなりて水ぐみたりければ」(出典:古今著聞集(1254)一八)

ぐむの語誌

「ぐむ」は、本来何物かを内に含む」という意味の他動詞かと考えられる。しかし、一般には、目的語と複合して、「何物かが外に現われ出ようとする」という意味合いを持つようになり、さらに意味がずれて「…のきざしが現われる」という意味の接尾語になったと考えられる。

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