グランドジョラス山(その他表記)Grandes Jorasses

改訂新版 世界大百科事典 「グランドジョラス山」の意味・わかりやすい解説

グランド・ジョラス[山]
Grandes Jorasses

ヨーロッパ・アルプスのモン・ブラン山群にある名峰。フランスとイタリアの国境に約1kmの長さでのびている頂稜には,東峰(最高点,ウォーカーピーク,4205m),西峰(ウィンパー・ピーク,4184m),クロ・ピーク(4110m),エレーヌ・ピーク(4040m),マルグリット・ピーク(4066m),ヤング・ピーク(3996m)の六つのピークが連なっている。1865年にE.ウィンパー一行によって西峰が初登頂されたのち,最高点の東峰は68年にH.ウォーカーの一行によって初登頂された。北壁は,アルプス登山史上とくに有名で,クロ・ピークに抜け出る高度差1000mの中央側稜は,1935年ドイツ人R.ピーターとM.マイヤー初登攀(とうはん)。ウォーカー・ピークに抜け出る高度差1200mのウォーカー側稜は,38年イタリア人のR.カシン,G.エスポジト,U.チゾニが初登攀した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グランドジョラス山」の意味・わかりやすい解説

グランド・ジョラス山
ぐらんどじょらすさん
Grandes Jorasses

フランス・イタリア国境、アルプス東部のモンブラン山群の高峰。標高4208メートル。登山史上著名な岩峰で、頂稜(ちょうりょう)は東西約1キロメートルにわたり、最高峰の東峰ウォーカー・ピーク、西峰のウィンパー・ピークなど6峰よりなり、エギュイーユ・デュ・ミディ山の展望台からその雄姿が望まれる。北壁は高度差1200メートルもあり、マッターホルン山アイガー山とともにアルプス三大北壁として、その登攀(とうはん)の困難さで知られている。西峰は1865年イギリス人E・ウィンパーにより、東峰は1868年イギリス人W・H・ウォーカーによって初登頂された。北壁は1935年中央側稜よりドイツ人ピータースとマイヤーが、冬期は1963年イタリア人W・ボナッティによって初登攀されている。

[徳久球雄]

『小西政継著『グランドジョラス北壁』(中公文庫)』


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