日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリーゼ832c」の意味・わかりやすい解説
グリーゼ832c
ぐりーぜはちさんにしー
Gliese 832c
つる座に属する、地球の約5倍の質量をもつスーパーアース(巨大地球型惑星)型系外惑星。
地球から約16光年の距離にある赤色矮(わい)星であるグリーゼ832においては、2009年に公転周期が9.4年の木星型系外惑星が発見されている。その後、2014年にドップラーシフト法により、公転周期が約36日で軌道長半径が0.16AU(天文単位。母星との距離が地球と太陽の場合の0.16倍)前後のグリーゼ832cがみつかった。母星が太陽より低温な赤色矮星であるため、グリーゼ832cはそのハビタブルゾーンの内側端にあると考えられている。ただし、グリーゼ832cは、地球の約5倍の質量をもつので、それに応じて多くの濃い大気をもつと考えられ、その温室効果により、スーパーアースではなくスーパービーナス(巨大金星型惑星)である可能性もある。また、グリーゼ832の星系は、岩石型惑星の外側にガス惑星で構成される太陽系のミニチュアとしても関心を集めている。
[編集部 2023年12月14日]