グレンバイ家の人々(読み)ぐれんばいけのひとびと(その他表記)Gospoda Glembajevi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレンバイ家の人々」の意味・わかりやすい解説

グレンバイ家の人々
ぐれんばいけのひとびと
Gospoda Glembajevi

クロアチアの作家クルレジャの戯曲。3幕。1929年作。第一次世界大戦時代のクロアチアの上流社会の倫理的破綻(はたん)を主題とし、銀行家、実業家のグレンバイ一族の崩壊を、長男で学者のレオーネとその義母で娼婦(しょうふ)あがりの男爵夫人カステルリとの葛藤(かっとう)を主軸として描く。グレンバイ家は主人の投機的手腕利害で結び付いた姻戚(いんせき)関係によって貴族社会のなかで地位を築くが、家庭に平和はなく、財産争いや暗い淫蕩(いんとう)が一家を破滅に追い込む。社会生活の現象と人間の運命に対するリアリスチックなアプローチには後期のイプセンの影響がみられる。この戯曲のほかに『グレンバイ家の人々』の作品群を構成する一連の戯曲、散文がある。

[栗原成郎 2023年7月19日]

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