日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケッヘル」の意味・わかりやすい解説
ケッヘル
けっへる
Ludwig Alois Friedrich Köchel
(1800―1877)
オーストリアの音楽研究家。1827年ウィーン大学で法学士となったのち、植物学、鉱物学に興味をもち、双方の専門家として広く世に認められるに至った。しかし、51年、友人の出版したモーツァルトに関する不備な小冊子を見たのがきっかけとなり、モーツァルト作品の年代順目録の編纂(へんさん)を思い立った。『モーツァルトの全音楽作品の年代順主題目録』(1862)において彼の付した通し番号は、いわゆる「ケッヘル番号」として、その後改訂を重ねながら、モーツァルトの作品に用いられている。ほかに音楽史関係の著作数編があり、ウィーンに没した。
[大崎滋生]