日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケテルビー」の意味・わかりやすい解説
ケテルビー
けてるびー
Albert William Ketèlbey
(1875―1959)
イギリスの作曲家。バーミンガム近郊のアストンに生まれる。13歳のときビクトリア女王奨学金を得てロンドンのトリニティ・カレッジで音楽を学ぶ。その後、オルガニスト、ミュージカル・コメディ一座の指揮者、レコード会社の音楽ディレクター、音楽出版社の編集者などを務める。作品には、コミック・オペラ、管弦楽曲、室内楽曲などがあるが、なかでも『修道院の庭にて』『中国の寺院の庭にて』そして『ペルシアの市場にて』(1920刊)などの大衆的な管弦楽曲で成功を収め、晩年はワイト島で悠々自適の生涯を送った。これらの通俗的描写曲は、いわゆるセミ・クラシックの名曲として広く親しまれている。
[寺田兼文]