日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケルコペス」の意味・わかりやすい解説 ケルコペスけるこぺすKerkōpes ギリシア神話のリディアに住む小人の盗賊。オケアノスとテイアの間にできた2人の息子、パサロスとアクモン(エウリバテスとフリノンダス、あるいはシロスとトリバロスともいう)をいう。単数形はケルコプスKerkōps。ヘラクレスに捕まって棒の先につり下げられたとき、ヘラクレスの毛深い尻(しり)をおもしろおかしく揶揄(やゆ)したので、ヘラクレスもおもしろがってこれを許した。しかしその後も悪業をやめなかったため、ゼウスは2人を猿に変えた。ローマの伝承では、ナポリ湾の二つの島ピテクサエ(猿ヶ島)はこのケルコペスにちなむという。[丹下和彦] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例